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「何の話なのですか」は、文章題でまず最初に問うべき発問である。問題を読んだときに、問題の場面の映像が大ざっぱに描かれるようにすることが大切である。
向山氏は、文章題の指導について次のように述べている。
向山洋一全集24『向山型算数」以前の向山の算数』(明治図書)
文章題で、まず最初に問うべきは、「何の話なのですか」というような問いである。つまり、問題場面を頭に描かせることである。しかも、簡単に、おおざっぱに描かせるのである。そうでないと、子どもは、問題文を全部読み上げて答えにしてしまう。それでは駄目だ。頭の中にその場面の映像が大ざっぱに描かれるようにすることなのである。(向山洋一全集24『向山型算数」以前の向山の算数』(明治図書)p67より引用)
(注)赤い字のところは、原文では枠で囲ってある。
向山型数学の場合、方程式や連立方程式の文章題で次のように発問する。
ひと言で言うと何の問題ですか。
「過不足の問題です」「割合の問題です」「は・じ・きの問題と呼びます」
問題を類型化することで、同じ問題を解くときに同じ考え方ができるようにするためである。
授業例(連立方程式の文章題)
指示1 教科書の41ページを開けなさい。 例題3、読みます。さん、はい。
問題 ある店で、シャツとズボンを1組買いました。定価通りだと、1組の値段は4200円でしたが、シャツは定価の10%引き、ズボンは定価の20%引きだったので、代金は3500円になりました。このシャツとズボンの定価は、それぞれいくらですか。(啓林館『数学2年』p42)
発問1 ひと言で言うと何の問題なのですか。
「シャツとズボンの話です」「買い物の話です」……
説明1 割合の問題といいます。
発問2 求めるものが分かるところに赤い線を引きなさい。
「引けました」「引けました」
指示1 みんなで。さん、はい。
「このシャツとズボンの定価は、それぞれいくらですか」
指示2 その通り。できた人は小さく○をつけなさい。分からなかった人は、引いておきなさい。
《引用》向山洋一全集24:『向山型算数」以前の向山の算数』(明治図書p67
《参 考》西野一葉氏:『月刊向山型数学授業』(2003年8月号)p4